episode 8. パニック障害の症状(4)
そうやって、時々の発作と体調不良を抱えながら最初の葬儀屋で過ごしたのは2年間。
辞めてしまったのは、時間と休みが不規則な状態が続き、また頻繁にパニック発作が起きて、家からあまり出られなくなってしまったからだった。
好きな仕事だった、仏事の事もいっぱい覚えた、祭壇を挿すというのは職人技のようなもので、まだまだこれからだった。
だから悔しかった、パニック障害ってやつが憎かったし自分が嫌だった。
その後は職を転々とした。
ブライダルの花屋、営業事務、短期バイト…
数えきれない職の数々、今や私の履歴書は一枚では足りない。
そして「一身上の都合」による退職ばかり連なっている。(今はもうどうでも良くなっているし、これも自分!と胸を張って言えるようになった。笑)
ここで本題。
初めて発作を起こしてから約3年、新たなパニック障害の症状が出るようになった。
ある日、友人と飲みに行った日のこと。
お酒は好きだったから、飲みに行くのは不思議と苦にならなかった。
お酒は赤ワインと芋焼酎が好きで、その日は芋焼酎の水割りを飲んでいた。
いい感じにフワーっと酔いが回った頃、手足が急に冷たくなって血の気が引いた。
ヤバい、発作だ…と思った次の瞬間、今まで感じた事のなかった内臓の異変を感じた。
胃が勝手にグネグネと動き気持ち悪い感じになって、呼吸が出来なくなった。
吐き気、とも嗚咽、とも言えない身体がひっくり返るような、同時に大腸が緩んでいくような、もうどうしようもない感覚だった。
喋る事も出来ず「グァッ、グァッ、、」と苦しかった。
友人がすぐに救急車を呼んでくれて、病院に運ばれたけど、この時も救急車の中で失神したらしい。
その夜は病院で吐き気止めの点滴をされ、翌日タクシーで掛かりつけの病院へ向かった。
そこで初めて知った事は、パニック発作は自律神経と密接な関係があってアルコールのせいで血流がどーのこーの…
とにかくお酒を飲むと交感神経と副交感神経の全てがぐちゃぐちゃになって苦しんでぶっ倒れる、ってこと。
あれは怖かった。
初めて倒れた時と同じぐらい怖かった。
ただ、お酒好きな私は、こんなことになってもその後1年の間に同じ救急搬送を3度繰り返した(馬鹿。)
さすがに恐怖に勝てなくなり、外でお酒を飲む事を辞めた。
会社の忘年会や歓迎会にも行けなくなった。
行けないと、どうしても人付き合いの悪いヤツというレッテルが貼られたけど、でも人前でぶっ倒れるよりは周囲に嫌われる方がマシだと思ったから。
今も怖いことに変わりはない。
友人たちとご飯に行くときなんかも、正直かなり怖い。
頓服薬は飲んでから行く、それでも恐怖だし帰りは絶対に地下鉄には乗れない。
何度か、ご飯会が終わってから遅い時間の地下鉄にチャレンジした事がある。
でも、必ず改札を目の前にすると心拍数が跳ね上がり血の気が引いてしまう。
それでも発作を起こす可能性があると知りつつ、一緒にご飯を楽しんでくれる友人には、感謝しかないな。
100%分かって欲しい訳では無くて、ただパニック障害を受け入れて側にいてくれる友人たちは宝だと思う。
そう、ここで書きたかったことは「夜の外出、外食、飲酒」がパニック発作を引き起こす、ってこと。
次からは、覚えている範囲で服用してきた薬の話しや社会から批判されたことなんかも書こうと思う。
続く★