J.REN’s 婆さんはご健在です。

人生の途中で出会った猫2匹と双極性障害とパニック障害

episode 1. 30歳

30歳になった時、私は普通の会社員として働いていた。

葬祭業に、携わっていた。


どちらかと言うと他人に感情移入しないドライな性格が、人の最期に携わるということに向いているのだと思う。


接客、営業、事務作業、バイヤー、葬祭業とは言え一箇所に留まることなく四国や関西へ出張にも行った。


29歳からの3年間は、パニック障害も落ち着いていて、なんの支障も無く仕事に没頭していた。

だって、飛行機にも乗れたし、地下鉄にもJRにも一人で乗れる程元気だったんだから。


人生で最高に楽しい時間だったかも知れない。

今まで生きてきた中でたった一人、尊敬出来る人に出逢い、毎日が楽しかった。


そんな中で私は2年付き合った二つ歳下の人と結婚して、離婚した。

1年半の結婚生活、つまらないものだった。

盛大に披露宴までしたのに、花嫁姿の私は高砂に座っても尚、仕事の電話が掛かってくることを気にして携帯電話をポーチに入れ高砂の見えない所に置いた。

お色直しの時、すかさず携帯をチェックし、すぐさま電話で顧客対応をしていた。

そんな花嫁がどこに居るだろう。

それくらい仕事が楽しかった。

上司が、会社が、好きだった。

入籍して1年で挙式・披露宴をして、その4ヶ月後に離婚した。


「離婚して。ここから出て行って。」

そう告げた。呆気ないものだった。


結婚生活の「スレ違い」なんて言葉は綺麗事で、本当は他人と暮らすことが生理的に無理だったんだと思う。


双極性障害二型、と診断されたのはつい1ヶ月程前の事。

医師の話を聞いているうちに妙に納得した事がある。


この3年間だけを見ても、仕事に熱くなり過ぎ、結婚と離婚をし、鬱になり仕事を辞め、転職をしてまた退職をする。

人生に波があり過ぎるというのも、この病気の特徴なんです、と。


ただ…この3年間の前の30年間は、もっともっとジェットコースターのような激しい波で。


ひとつずつ、振り返って行こうと思う。



続く☆



憂うつ、無気力を抜け出す